お知らせ
R4年度夏季離島派遣を実施しました!
2022.10.20
学生の長期休暇(夏休み・春休み)を利用して離島地域へ学生を派遣する、当ボランティアセンターの離島派遣事業について報告します。前年度春季より1年半ぶりに派遣が再会し、今年度夏季もコロナウィルスの状況を考慮しながらの実施となりました。
以下に、学生の活動報告の一部を抜粋してご紹介いたします。
<学生の声>
居場所A・B(石垣島)
- 子ども達はみんな、「○○しよう〜」と何度も遊びに誘ってくれました。ドッジボールや鬼ごっこ、かくれんぼ、リレーなど体を動かす遊びをしていて、とても元気でした。しかし、やりたいことの意見が合わなかったり、ルールを守らない子がいるとすぐ、口喧嘩のようになってしまい、よく遊びが中断されました。人数が多いため、みんなが意見を出し合うと、まとまらないことが多かったけれど、私が少しアドバイスをすると、素直に私の言葉に耳を傾けてくれました。また、責められている子をかばうような言葉も出てきたり、自分達同士で楽しく遊べるようなルールを作っていて、コミュニケーション能力が高いと思いました。
- 子どもたちが少し私に慣れてきて、言葉が強くなってしまった時に、中学生の女の子が私に対して「ここにいる子は、口は悪いかもしれないけどみんな本当は良い子なんだよ。」と話してくれました。この言葉を聞いて私は、子どもたちも私と仲良くしたいと思う気持ちから、言葉も強くなってしまったのかなと冷静に考えることが出来ました。それと同時に、周りの子供たちの様子を見て、私に声をかけてくれる中学生の姿をみて、互いの成長が互いに良い影響を与える、子どもたちの素敵な居場所になっているなと感じました。
- 施設の職員の方から様々な家庭状況下にある子どもたちの状況や居場所がある意義などを学ぶことができました。私はこのような施設の存在を沖縄県に来て初めて知りました。日本の福祉の制度をさらにより良くしていく必要があると思い、福祉の重要性を身近に考えることができました。日本でも、こんなに格差があるのだと気づき、私も恵まれていたのだと気づきました。3日間という短い期間だったため、子どもたちの成長を見ることは難しかったですが、自分に足りない所や子どもたちを支えたいという思いに気づくことができたと思います。
居場所C(宮古島)
- 勉強している時には点数や早さで競い、たこ焼き作りの際にはどれだけきれいなたこ焼きを作れるかで競い「先生、対決しよう」と何度も言われ、自然と本気で対決するようになっていました。子ども達も必ず対決をする際に「先生、真剣勝負だ!」「先生、本気でやってね。」と言ってくれて、勝っても負けても本気勝負ができたかどうかということに重きを置いているように感じました。時には、負けて機嫌を崩す子もいますが、しっかりと人として向き合い、勝負する事がまた認められたという実感に繋がり、子ども達の自信や楽しみに繋がるのかなと考えられました。何よりこの5日間で、私も子ども達に知らない事を沢山教えてもらい、とても刺激となり、楽しかったです。
- 今回は、小学生低学年と関わることが多く、勉強を教えるという事ももちろん行ったが、それ以上にたくさん遊んで、たくさんお話しをし、ご子供たちにとって信頼できる大人という存在になれた気がした。子供たちは無理に勉強をしてと言われるだけでは自主的に勉強をするようにはならない、たくさん遊んでくれる人、自分のことを認めてくれる人、話を聞いてくれる人、そのような人の存在があった上で言うことを聞いてくれたり、そして勉強をするという姿勢に繋がったりしていくのだと感じた。
居場所D(宮古島)
- 私が1番印象に残ったのは、「今日で最後なんだよね」と言ったらぎゅーっとハグしてくれる子がいて、純粋でとってもかわいいなと思ったことに加え、とても嬉しかった。また、外国籍の子とたくさんおしゃべりをし、会話を通していろいろなことが知れた。この活動を通して、子どもたちにとって楽しく、思い出に残るような色々なことができたなと感じたことに加え、私自身沢山の経験ができ、得るものが大きかった。
- 中高生も学習するスイッチが一度入れば、黙々と机に向かうことができる子どもしかおらず、普段本島でバイトをしている私からすると、少しばかり驚く光景だった。宮古島の子どもたちは、本当に意欲が高いという印象を受けた(以下一部略)。自分の意思が相手に伝わらないということは言語能力が発達段階の子どもたちが常に抱えている問題だということであり、自分が頑張って伝えるという立場になって理解できた。子どもの伝えたいという気持ちを根本から理解しようとする姿勢を持つことの大切さを実感した。今後の活動では粘り強く子どもに耳を傾けていこうと思う。この離島派遣で得た経験を今後のボランティア活動にも生かしていきたいと思う。
居場所E(宮古島)
- はじめは、自己紹介しても返してくれず目も合わせてくれなかったが、隣に座り自分の出身地やどこから来たかなど自分について話していると、これまでどんなところで生活していたのか話してくれた。はじめ宅習の内容がなかなか決まらず進めることができなかったので、自分が住んでいた県や彼女が住んでいた県について知ってもらうため、教室にある都道府県カルタを使い47都道府県について自分がクイズを出したり、一緒に調べたりして進めた。宅習が終わると普段の学校生活や、先日宮古島を通過した台風11号の影響について話した。台風の話では、1日中家で母親と折り紙で遊んだらしく、その時に作ったお寿司の折り紙やクマの折り紙の写真を見せながら楽しそうに話してくれた。また、生徒が家に帰宅する際に「先生楽しかったバイバイ」と笑顔で言ってくれた。
居場所F(伊良部島)
- 子供たちとの会話の中で、小学生の女の子が「海に行って釣りしてきた」「漁港行って泳ぎたい」「自転車で伊良部大橋わたるの、めっちゃきれいだよ」といった自然の中で遊んでいる様子を聞いて、いい環境で遊んでいるんだなと強く感じた。島の子の中にももちろん、スマホを持ってYouTubeをみている子はいたが、「自然の中で体を動かしながら、遊んでいるって子供らしい」と感じた。居場所の方は元教職員の方や、おばあちゃんなどがいて、皆さんとても楽しそうだった。退職後や高齢になっても、自分の経験や特技を生かして地域と積極的に関われている姿を見て、子供たちにとっての居場所という役割だけではなく、地域の大人の人にとっても地域の人や子供たちと関われる居場所に慣れているのだなと強く感じた。
- 小学1年生の男の子が学校の宿題を終わったあと、自分から進んで、国語の課題を選んで取り組もうとしていて感激を受けました。なかなか、自主的に勉強に取り組む事は大学生の私のとっても難しいことですが、1年生の子が行っていたので見習わないといけないと感じました。夕飯も小学5年生の男の子と食べ、その子が今流行っているものや豆知識を沢山披露してくれて楽しい時間を過ごすことが出来ました。夕飯後、中学生が来て、 理科と数学を教えましたが、理科は答えを教える事しか、数学は上手く教えることができなかったように感じました。自分が分かるからといって他人に同じように教えても理解出来ないことがあり、そこに勉強を教えることの難しさを感じました。勉強苦手な子にどうしたら分かりやすく教える事ができるかが課題になりました。
居場所G(南大東島)
- 本島での居場所の子どもたちに比べて、みんなとても仲が良いと感じました。お互いを小さい頃から知っていて、一緒に遊び続けているからだと考え、島の良さだなあと感じました。一緒に机に座り、宿題をする時に、すぐ宿題の話をするのではなくて、「夏休み楽しい?」「学校では友達と何して遊ぶの?」「好きなアニメとかあるの?」などと楽しい会話からスタートし、徐々に宿題が出来るよう支援しました。小学2年生なので10分集中するのが難しい感じだったので、少し進んだらお喋りしての繰り返しでした。漢字や算数の勉強では「この問題解けるの凄いじゃん!」など褒めることを意識して関わると、とても嬉しそうに取り組んでいました。時間はかかりましたが宿題を終わらすことが出来たときには、嬉しそうに児童館の人に「宿題終わった!」と見せに行く姿がとても印象的でした。
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以上が報告の抜粋となりますが、いかがでしたでしょう。学生たちはこの離島派遣を通して、地域性による違いや日ごろの活動に活かせる気付きを得、将来につながる経験をしています。
コロナ感染や台風到来など手配泣かせの状況が続きましたが、一人でも多くの学生を派遣することを目的に、再調整を重ねて、8月中旬~9月中旬にかけて11名の学生を、石垣島、宮古島、南大東島、伊良部島の4島、7カ所の居場所へ派遣しました。
派遣前の準備期間には、県・渡航先・所属大学の方針を念入りに確認し、また学生には渡航前のPCR検査、陰性証明もしくは3回のワクチン接種証明提出を必須として安全性を徹底した上での派遣となりました。
ここで、離島派遣での学生謝金に活用させていただいている琉球宇温基金について、ご紹介させていただきます。今年度におきましても既にご寄付のお申込みをいただいており、お力添えに応えるべく今後も離島派遣の一層の充実をはかっていきたいと思っております。過去の助成について、詳しくは以下の記事をご参照ください。
R3年度の助成について
↓
https://www.consortium-okinawa.or.jp/kg-vc/archives/1941
R2年度の助成について
↓
https://www.consortium-okinawa.or.jp/kg-vc/archives/1623
R元年度の助成について
↓
https://www.consortium-okinawa.or.jp/kg-vc/archives/1214
参加した学生には、あらかじめ琉球宇温基金についてのお話をして、一人一人が宇温さんの思いを抱きながら活動にあたったことと思います。また、居場所の方々も、趣旨にご賛同くださり、写真撮影に快くご協力して下さいましたこと、あらためてお礼申し上げます。
これからも離島派遣事業を通して、宇温さんの思いを引き継いでいきたいと思います。